ミニベロの新機軸。タイレルのIVEがやってまいりました
投稿日:2016年04月8日
投稿者:いね
ミニベロ(小径車)というと当店ではブルーノが人気。 どのモデルもデザインが洗練されていてお洒落ですよね。漕ぎ出しの軽さも秀逸で、シティライド中心でカジュアルな乗り方をされる女性から好評をいただいてます。
それからブロンプトンというメーカーも有名です。フォールディングバイクの中では最小クラスの折りたたみサイズをほこっていて、飽きのこないクラシックなデザインと軽量・コンパクト性から、今も昔も熱烈な支持者を持っています。
ちなみに今挙げたメーカーは欧米発。どちらも品格のあるクラシックな雰囲気を纏っていて、ひと漕ぎすればヨーロッパの風を感じること請け合い(!?)の名車なのですが、日本にもあるんです。クラシック系ではないですが、これらに勝るとも劣らない素晴らしいミニベロを作っているメーカーが。
国産ミニベロブランド:Tyrell
タイレルは香川県さぬき市で日本人の手によって作られています。創業は10年ちょいと上に挙げたメーカーと比べると歴史は浅いですが、それを微塵も感じさせないほど凄まじく完成度の高いミニベロを作っています。カテゴリー的にはミニベロの中でも走行性能を重視したスポーツ寄り。最近ではフォールディングバイクやロードバイクも作っています。
タイレルのマシンで特徴的なのは「軽くて、強い」ということ。その鍵となるのはスラントデザインというX字にチューブが交錯するフレーム形状にあります。
独自の設計思想から産み落とされたこの印象的なフレームは、美しくスタイリッシュでありながらも、走りにしっかりとした剛性と安定感をもたらしてくれるんです。折りたたみ自転車にありがちな芯の無い走りとは無縁という訳。仕上げにも妥協は見当たらず、塗装には業界ではトップクラスなカドワキさんの美しいパウダーコーティングが施され、頬ずりしたくなくるほど綺麗な仕上がり。なんでも量産車では初めての試みなんだとか。
もう一つ、タイレルの特徴としてトータルパッケージとしての完成度が高いことが挙げられます。サドル・シートポスト・タイヤやコンポ、それ以外のディテールなど含めデフォルトで装着されているパーツがフレームや車体コンセプトにきっちりマッチングしているので、カスタマイズする必要がなく初心者に特におすすめなんですね。特段意識しているわけではないんですが、日本人の手で設計され、製作されているというメイド・イン・ジャパンの安心感もやっぱりあったりします。
そんなタイレルさんから昨年リリースされ、ミニベロ界隈では割りとセンセーショナルに扱われた新機軸フォールディングバイク「ive」の試乗車がやってまいりました!
クラシックとはちょっと違う路線ですが、落ち着いたシンプルな出で立ち。この子はシルバーモデルですが、きれいな配色のツートーンモデルもあります。どれも主張しすぎず、丁度いい発色具合。下のチャコール/あやめパープルなんか凄くおいしそう(!?)な配色です。
それからive語る上で欠かせないのが細身のフレーム。折りたたみ自転車というとゴツい一本のチューブを大黒柱に構成されているのが一般的ですが、こちらはロードバイクやクロスバイクと同じトライアングル形状で負荷を分散。さらに素材には強度のあるクロモリを使用しているので、いい意味で折りたたみらしくない線の細さを実現しているんですね。
誰でも即座に折りたたみ
(すいません、最終形態だけ撮り忘れました・・・)
自転車に普段乗ってない人にも走る楽しみを知ってほしいという思いからできたこのマシンは、初心者でも簡単に折り畳めるようなユーザーフレンドリー設計になっています。ポイントはたった二つ。
- まずはハンドルのレバーを押しながらサドルを引き上げる。
- ロックを外してハンドル・フォークをたたむだけ。
これだけだとあまりに省略しすぎな感があるので詳しくは下の公式動画をご覧くださいませ。
畳んだあとはキャリーケースみたいにコロコロ転がすもよし、輪行バッグに入れて電車にのるもよし。場所を問わず、ワンタッチでたためるので、「面倒くさいな」という発想とは無縁なわけなんですね。
ちなみに、iveには標準でスタンドがついてません。それは、上記画像のシッティング状態にすれば自立するのでそもそもスタンドが不要だから。ものの2秒で上の形態にトランスフォームできますぜ。重量的に軽くなるし細部までよく考えられていますよね。
どうでもいい話ですが、私の場合お店近くのコンビニまでiveで出かけて、好奇の目に晒されながら、そして軽くドヤを入れつつシッティングさせるのが軽いマイブームになっています(oi)
ちなみに上記の赤いレバーが折りたたみのトリガーとなっています。非常に分かりやすいですね。
肝心の乗り心地は?
折りたたみという先入観をもってのるとその安定感にびっくりします。私も最初は華奢なイメージがあって恐る恐るペダルを回していましたが、その必要が無いとわかるとどっしりコシお落ち着けて乗ることができました。ハンドル周りは折り畳み機構が内蔵されているとは思えないほどカッチリ。それからホイールベースが長めに取られているので直進安定性もミニベロにしては優秀。
だた、普段ロードなどに乗っている私からすれば巡航性能はちょっと物足りない感じ。それは標準のタイヤが1.5インチと少し太めというのと、ハンドルポジションが近くてアップ気味だから。ただこれはあくまでも私の感想。iveは初心者を含め、幅広いユーザー層に楽しんでもらうというのが設計の根柢にあって、敷居が下げられてるのでこれはいたしかたいかなと思います。
でもですよ、私みたいな人のためにカスタマイズ性もちゃんと確保されているんです!例えばアヘッドステムに変えれば、ハンドルを位置を遠目にできます。標準コンポーネントにはsoraが搭載され、ロードコンポと互換性が高いので、ドロップハンドルに変えてSTIレバーをつけるのもあり。それからタイヤを細めにするだけで走りはかなり軽快になると思います。
少しだけ残念な部分がハブの規格。F74mm/R120mmという独自規格を使用しているので市販のものと互換性ほぼなし。ただ不幸中の幸いか使用されているハブは結構いいもの使っています。ラチェット音もテンション上がる系の小気味いい音で、オーバーホールしながら使えばながーくお使いいただけるはずですよ。
折りたたみというとたわみやすいイメージがありますが、iveはそこにもこだわっています。先に述べたようにフレークがトライアングル形状でロードバイクと同じなので、華奢な感じはほとんどなくペダルに入力したパワーをしっかり受け止めてくれます。
それからハンドルはちょっとクイック気味。敏感さが気になる人は幅広のハンドルに変えるといいかもしれません。
もう一つこの手の小径自転車に比べたらタイヤ幅もあるし、エストラマーもしっかり機能しているので振動吸収は良いほうだと思います。それでもお尻痛いという方はタイヤの空気圧を下げて乗るのがいいかなと。下がそのエストラマー。
そして、横にあるミニホイールは折りたたみ時に地面に接地する部分。こいつのおかげキャリーケースみたいコロコロできるわけです。
オプションも豊富
まずは専用キャリア
純正のキャリアを装着すれば積載量もグンとアップ。ミニホイールも付いているのでコロコロ転がすこともできますよ。スケールの大きい旅行の時に大活躍しれくれそうです。
お次はトラベルバッグ
底面が取り外せるカバーと、カバーを収納して車体に取り付け出来るポーチがセット。カバーは薄手の軽量タイプで、底面のみ強度のある厚手の素材を使用しています。底面を取り外せば、キャスターでの移動も可能。ショルダーストラップは肩パッド付で、車体固定部分は傷防止のプロテクター装備。
また画像にあるようにハンドルやサドルに取付可能なので移動時にもかさばりません。
そしてカゴ
これは純正ではありませんがヘットチューブのダボにアダプターを取り付ければカゴも装着可能。スーパーへの買い物のとき重宝しそうです。
さいごに簡単にスペックのせておきます。
価格 | ¥54,000(税抜) |
サイズ | 430mm(150cm〜) |
フレーム | クロモリ |
フォーク | クロモリ |
タイヤ | KENDA クエスト 20×1.50 仏式バルブ |
変速 | 7s |
サドル | BRUNOオリジナルサドル |
グリップ | コルクグリップ |
ブレーキ | カンチブレーキ |
スタンド | アルミ製センタースタンド |
重量 | 10.2kg |
おわりに
当店に試乗車ありますので、興味が湧いた方はぜひご来店くださいまし!