ツーリングに即戦力。サルサのMarrakeshマラケシュ!
投稿日:2016年03月14日
投稿者:いね
有り難いことに、先日ご紹介したジェイミスのRenegadeに関するご相談が何件かありまして、盛岡でもグラベルロードに興味お持ちの方けっこう多いなあと正直驚いているところです。
Jamisではないですが、今回はSalsa(サルサ)から同系統のマシン「Marrakeshマラケシュ」が入荷してきましたので、そちらのご紹介でございます。
Salsaというとアメリカンブランドらしくツーリングや山遊びなどのアドベンチャーな味付けをしたバイクラインアップが特徴的。今回ご紹介するニューフェイスのMarrakeshもその遺伝子をちゃんと受け継いでますよ。世界中を駆け回れってもヘコたれないくらいタフなツーリングマシンとなっています。
人生も自転車も、身軽がいちばん。
Marrakeshは長距離ツーリングを念頭においた設計・パーツ構成になっています。リヤキャリア(Salsa製)がデフォルトで装着されているのもその辺を意識してのところです。
ちょっと話は逸れます。ツーリングの時当然荷物はもっていくと思いますが、自転車の場合「どう持っていくか」がとっても重要です。方法としてはいくつかあります。
①:バックパックスタイル
原始的にリュックを背負うスタイルです。少量の荷物であれば問題にはならないかもしれませんが、泊まりがけなどの場合は厳しいです。当然荷物が増えれば増えるほど、上半身には相応の負担がかかります。それから蒸れの問題もあります。通気性が確保されている自転車専用のバックならまだしも、エアフローが考慮されてないバックパックはかなりの不快感が伴うはずです。
また荷物の量にもよりますが、ダンシングで体を左右に揺らした時のバッグの揺れが気になる場合もあります。なので、あまりおすすめではないんですね。
②:バイクパッキングスタイル
ここ最近注目を浴びているスタイルです。キャリアを使用せずに大型サドルバッグやフレームバッグ、それからハンドルバッグなどを駆使して大容量の荷物を積載する方法です。キャリアを使用しないため、ダボ穴がないマシンでもかなりの荷物を積載できるということ、それからトレイルも走行可能というのが大きな特徴です。重量も抑えれるというのもポイントでしょうか。
デメリットを挙げるのであれば、まだまだ関連商品が少ないということ。さらに積載量は後述するキャリアスタイルに比べると見劣りしてしまう、という点でしょうか。
③:キャリアスタイル
ツーリングのデファクトスタンダードですね。前後輪にキャリア(ラック)を装着して、サイドにパニアバッグを引っ掛けるスタイルです。とにかく大容量の荷物を積めるというのが一番の特徴です。上面を使用すればテントや寝袋などのテント道具もいけちゃいますよ。関連商品も多く発売されてるのポイントです。
デメリットとしてはフレームが対応していないと取付できない、それから積載方法によってはハンドリングが不安定になってしまうということ。またキャリアを装着する分、重量もちょっと重くなります。最近ではこのキャリアスタイルとバイクパッキングスタイルをうまい具合に組み合わせてる方もいっらしゃいますね。
経験則から言うと長距離ツーリングはできれば「何も背負わない、纏わない」。身軽が1番だと思います。
短い距離または少量の荷物でも①のバックパックスタイルは避けたいところ。汗をかくシチュエーションの場合は特にですね。というか大体は汗をかくと思います。背中のムレは確実にモチベーションを削いでいきます。
なので、現実的な選択肢として②か③になります。どちらにするかは車体との相性と走る場所で決まってきます。ロードバイクの場合はダボ穴がないので選択肢としては②のみになります。(クイックレバー用のキャリアを付けるという方法もありますが・・・)また、ほぼ舗装路のみしか走行しない場合はキャリアスタイルでもいいですが、トレイルも走るとなればバイクパッキングスタイルの方が向いています。
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さて前置きが長くなりましたが、Marrakeshの場合。
最初からキャリアがついてますのでパニアバッグを用意すれば③のキャリアスタイルで即ツーリングに投入できます。そういった意味でツーリング即戦力マシンなんですね。
また②のバイクパッキングスタイルも得意分野。フロントフォークにはボトルアイレットがあるのでAnything Cage(下記画像)を使用すれば更なる容量アップをはかれます。
さらに、一般的な自転車に大きめのフレームバッグ使用した場合、ダウンチューブ上のボトルケージに干渉してしまって「ムギャオー」と頭を抱える事になりかねませんが、Marrakeshはダウンチューブの下にも配置されているので、安心して大サイズのフレームバッグを使用できますよ。積載に関しては死角無しなんです。
オンもオフも走れるマルチバイク
もう一つ特徴的なのが40c 前後のタイヤまで履けるということ。細めのタイヤをはけば舗装路でもロードバイクの優位性を発揮することができますし、太めタイヤやブロックタイヤであればオフロードも走れちゃいます。フィールドによってマシンを変えなくてもいいのは頼もしいですよね。これ1台でほとんどの場所が走れちゃうオールラウンダーバイクになっているんです。
また、フラットバー仕様とドロップバー仕様の2種類ラインアップされてます。更に言うと、それぞれでフレームのジオメトリーが最適化されています。Salsaのぬかりない配慮でございます。
Brooksのレザーサドル
Salsaにしては珍しいパーツアッセンブルで、BrooksのB17(Standard)が初期装備。Brooks搭載機はSalsa史上初ではないでしょうか。Brooks??という方は以前記事にしましたのでどうぞ。
革サドルで有名なBrooksの本気
BrooksのB17シリーズを比較してみました
使えば使うほど味わい深くなるレザーサドル。こいつと一緒に誰よりもペダルを回して、遠くへ行ってあげてください。B17はその期待にもれなく答えてくれるはず。そして、世界で一番の極上サドルに育ててあげて下さい。
世界一周できるかも!?
フレームはクロモリです。アルミと比べて柔らかく体への負担が溜まりづらいです。補修能力が高いのも特筆すべき点です。万が一旅先で破損した場合でも町工場に持っていけば何とかなるかもしれません。アルミだとこうはいきませんから、そういう意味で長距離走行にもってこいの素材なんです。
ジオメトリーを見てみるとBbが低めにレイアウトされているので、ハンドリングは非常に安定した振る舞い。直進安定性も良さそうですね。
リアエンドを見ているとSalsaお得意のオルタネータードロップアウトが採用されています。これによりタイヤの縦方向へのクリアランス調整ができるようになっています。意図的にリアセンターを長くしたり短くしたりもできますよ。
更には!自転車屋も何もないような旅先で変速機が故障するという不測の事態が起こっても、簡単にシングル化できるエマージェンシー機能も備わっています。世界を視野に入れてる横断系ライダーにはとても有り難い機能ではないでしょうか。
また、ハンドルにはマウンテンドロップ(ドロップ部分が末広がりになっているハンドル)が採用されてますので、どっしり腰を落ちつけてペダリングできます。副作用としてハンドルバッグを装着した時に干渉しづらいのも個人的にはかなり嬉しいポイントです。
Vayaとの違い
SalsaのラインアップにMarrakeshによく似たVayaというモデルがあります。どちらもコンセプトが非常に似ているので我々も混同してしまいがち。ジオメトリーを見るに大きな違いとしては以下の様な感じかと。
- Vaya→MTB寄りのツーリングバイク。トレイル多めはこちら。
- Marrakesh→ロード寄りのツーリングバイク。舗装路多めはこちら。
さいごに
今まで世界旅行にも耐えうるツーリング自転車の代表格というのはサーリーのLong Haul Trucker(ロングホールトラッカー)やDisc Trucker(ディスクトラッカー)だったわけですが、こうして見てみるとMarrakeshも結構いい線いってるんじゃね?と思わずにはいられません。ジオメトリーも似通っていますので、もし、もしもですよ、自転車で世界中を駆け巡ってみたいという猛者がおられましたら、Marrakeshも一考してみる価値はあるかと思います!個人的にはツーリング車のスタンダードになれるポテンシャルは持っていると思います。
と、ここまで言っといて何ですが別にコンビニへの買い出しに使ってもいいと思いますよ。そういう「気楽さ」と同居しているのがサルサやサーリーの大きな特色なのですから。