アルミロードバイクの逆襲、おすすめ2台!
投稿日:2015年10月21日
投稿者:いね
カーボンが一世風靡しているロードの世界。もはやメジャーレースではカーボン以外の選択肢は考えれないというくらい信頼され、重宝されている。性能面でいうと強度、剛性、重量、振動減衰性、これらの重要なファクターがハイレベルでまとまっている素材は他になく、現状ではレースに無くてはならない存在である。
一方でクロモリという素材がある。しなりを効かした心地よい乗りと華奢な外観はレースとは一枚も二枚も壁を隔てた一部のホビーユーザーに一世紀以上にわたって愛され続けている。それは今でも変わらない。普段カーボンロードでガンガン走らせていても、たまにクロモリでゆるく行きたくなったりする。そういう懐古的魅力がクロモリにはあるのだ。
では、アルミはどうだろう。先に述べた素材に比べると立ち位置が実に曖昧であると思う。クロモリやチタンのように熱烈な支持者がいるわけでもなく、カーボンのようにレースに耐えうるほどのスペックがあるか、と言われると微妙である。あえて言うのであれば「価格が安い」ということを前面に押し出して、「入門機」という位置づけであろうか。そんな風潮がここ最近は強かった。
しかし、今年のメジャーメーカーのアルミの力の入れようを見てその流れが少し変わったと思う。もともとアルミはペダルを踏み込むとレスポンスはいい反面、カッチカチで疲労が溜まりやすく、ロングライドには向かないという先入観を持たれがち。そういった偏見を霧散してくれる出来のいい自転車が相次いでリリースされたのだ。
例えばキャノンデールのCAAD12やTREKのEmoda AL。今までは考えられない程の軽量性、比重の軽さを活かした大口径チューブによる剛性の確保、乗り心地が硬い硬いと言われるアルミで、フレーム形状を工夫して高められた振動吸収性。味付けが定まらないリーズナブルなカーボン完成車より選ぶより、方向性がしっかり定めらいるアルミを買った方が後悔は少ないはずだ。
そういった市場の動きもあってかここ最近、アルミの良さが再注目されているのだが、今回はメジャーメーカーの影に隠れがちだけど、性能的には引けを取らないし、ある部分では優ってさえいるアルミロード2台3台にスポットライトを当ててみたいと思う。
※2016年2月21日 ANCHORのRS6 EX部分を追記しました。
JAMIS Icon PRO
199,000 円(税別)コンポ105
JAMISはアメリカのメーカー。アメリカではトレック、キャノンデール、スペシャライズドの3社が人気だが、その次に名前があげられのがこのJAMISで、現地ではかなり名の知られたメーカーだ。今回ご紹介するIconシリーズはご当地の自転車雑誌では、メジャーメーカーを抑えて2年連続で賞を受賞するほど評判がよく、そういう意味では外れのない信頼できるロードバイクである。
まず、フレーム重量だが1150g(560mm)とアルミフレームの中では最軽量の部類。また、フレームサイズ毎にパイプ系を調整(54cm以下は10%細くしている)しているので、それぞれのサイズで最適の重量と強度を実現している。全サイズでパイプ系が同じメーカーもある中、どんな体格でも最高のユーザー体験ができるよう配慮がなされいてるのは好感がもてる。
また、ホイールにはMavicのAkusium、シートポストには自社のカーボン製のものが採用されてる。この価格でmavicのホイールが付いてくるのはなかなか嬉しいアッセンブルである。コンポはブレーキ以外は105で統一されていいて、フォークはフルカーボンである。
「試乗された方は、乗られた後に空気圧をチェックするんですよ」
乗り心地だが、アルミフレームによくある硬めの乗り心地をイメージしていると、(良い意味で)裏切られる。驚くほど快適なのだ。メーカーの人が言ってた「試乗された方は、乗られた後に空気圧をチェックするんですよ。」の意味がよく分かる気がする。アルミとは思えない振動の逃がし方なので、みなさん空気が少ないんじゃないかと勘違いする、ということである。ただ、カーボンと比べると硬い気はするが、それが悪い方向に向いてるのではなく、路面状況を適度に伝えてくれると考えると、それはそれでいい気がする。反対に、ペダル周りはしっかり剛性が確保されいてるので、踏み込むとすっと進んでくれる。このあたりはアルミの硬さが存分に活かされている。個人的には乗りやすさを活かして、初心者におすすめしたいロードバイクである。
KOGA A-limited 105
219,800 円(税別)コンポ105
オランダが誇るアルミフレームメーカーの重鎮。オランダは「蘭」とも書く。
江戸時代、鎖国中の日本が唯一世界を知る手段は蘭人だった。蘭人から学問、医学、技術など自前では到底用意できないような知識を学んだ。そしてそれは近代の日本の礎ともなった。現代の自転車においても同じだ。私はA-limitedに乗ってアルミの可能性というか底力のようなものを感じたのだ。アルミは過去のものではない、突き詰めればまだまだいけるのだ、と教えてくれた。ありがとう、オランダ!
A-limitedはkogaが得意としていたスカンジウムフレームで培ったノウハウを惜しむ無く注ぎ込まれた代表作だ。半端なカーボンを駆逐する性能をもったこのロードはまさにアルミフレームの最高峰といっても差し支えないくらい素晴らしい出来映え。この名機がビッグメーカーの影に埋もれてしまっているのは日本の自転車業界に少なくない損失を与えているのではないかと思うほどである。
果てしなくカッコいい
まず言わせて欲しいのが、うっとりするほど格好いいということだ。バリバリのレースで使うという性能主義者の人は優先度は低いかもしれないが、ホビーユースで使う人にとってデザインは最重要項目であるはずだ。見た目でここまで琴線に響くロードバイクというのはそんなに多くないと思う。
フレームを見ると、扁平シートステイは絞りに絞っていて、路面追従性と振動吸収を極限まで高めようという意図がくみ取れる。が、なんといってもA-limitedの魅力は圧倒的な加速感であろう。ハンドリングも含めしゃきしゃき反応してくれる。このスパルタンなフレームをねじ伏せる脚力を持っているのであれば、こいつは忠実に反応してくれる良き相棒となってくれるはずだ。私のような貧脚でも素晴らしい加速感を味わえたのだから、みなさんでも多分大丈夫。でも個人的には2台目としておすすめしたい。アルテグラモデルもあるし、フレーム買いして上級パーツをインストールするのもあり。是非ともこいつをレースで使って私のような貧脚カーボンライダーをしれっと抜き去り、甘美な優越感にひたって頂ければと思う。
フレーム重量は1090g(500mm)。フォークは当然フルカーボンで、コンポは105。ホイールはshimanoのWH-RS11である。完成車重量は8.1kg。
ANCHOR RS6 EX
145,000 円(税別)コンポSORA
上に紹介したのは、アルミロードバイクの中でもハイエンドに位置づけられるモデルだ。カーボンに比べると安いとはいえ20万円はちょっと・・と思われる方もいるかもしれない。ここではもう少し価格的に手を出しやすい初心者向けのエントリーモデルを紹介したいと思う。ちなみにジャイアントやメリダなどの大手メーカーのエントリーモデルと比べると高く感じてしまうが、安心と信頼の日本メーカーということと、フレーム設計にPROFORMAT(プロフォーマット)という最先端テクノロジーが詰め込まれてることや、日本人向けに設計されていることなど諸々考慮すると少しくらい大目に払っても決して損にはならないだろう。そう思わせてくれる絶大な安心感がアンカーにはある。
もっとも進むフレーム
2016年、「アンカー史上もっとも進むフレーム」と銘打ってリリースされたこのRS6のポイントはフレーム設計にある。同メーカーのハイエンドカーボンバイクののRS9と同じPROFORMAT(プロフォーマット)と呼ばれる 解析技術を用いて設計されている。PROFORMATを簡単に説明すると、ペダルを踏んだ時に発生するフレームのたわみはパワーロスにつながる。それが乗り手に「進まない」という印象を与えてしまう。そのたわみを抑制しようとフレームを固くすると今度は乗り心地が犠牲になってしまう。なので、我々はロスが少なく且つ乗り心地もスポイルしない、更には適度なしなりも出るような絶妙な硬さにしましたよ、フレームの前三角と後三角のそれぞれで。この部分を徹底的に追求して生まれたのがRS9とRS6シリーズなのである。
このRS6 EXのコンポーネントはsoraだが、もともとのフレームの出来がいいのでエントリーモデルながらもレースで充分なパフォーマンスを発揮してくれるだろう。コンポーネントをグレードアップすれば更なるレベルに達することも可能なはずだ。ちなみにこのRS6シリーズは3つのラインアップがある。
コンポーネント | カラーカスタム | 税抜価格 | |
---|---|---|---|
RS6 Equipe | 105 | ◯ | ¥200.000 |
RS6 Sports | Tiagra | ◯ | ¥170.000 |
RS6 EX | Sora | ☓ | ¥145.000 |
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