数年ぶりにママチャリに乗って思ったこと
投稿日:2015年12月7日
投稿者:いね
先日お客さんとママチャリ談義になって大いに盛り上がったのですが、その反動かどうも久しぶりに乗りたくなりまして。家に眠っているママチャリを持ちだして、ポタリングしたみたんです。思った以上に新鮮でいろいろ感じることがあったので、記事にしてみようかなと思った次第です。
修理の時などは症状を確認する目的でお客様のを乗ることはあるのですが、それ以外でママチャリ俗にいう軽快車に本気で乗るのは久しぶりで、記憶があやふやですが2〜3年ぶりくらいでしょうか、もっとたってるかもしれません。以下は普段スポーツ車乗ってる人がママチャリに乗った時のインプレッションになります。
当然、おもかった。
ママチャリの初動はやっぱり重いなぁ、というのがこれは久しぶりに乗った第一印象。スポーツ車に乗り慣れているとこれは当然の反応でしょう。車体重量がロードやクロスバイクの倍(20kg前後)もありますし、今回のった自転車は耐パンクタイヤとホイール周りは重装備ですから「もっそり」した漕ぎ出しです。
それからハンドル位置が体にかなり近い位置にあるので、体勢が非常に窮屈。ロードバイクは風の抵抗を抑えて前傾姿勢になるように、ハンドル位置が遠めに置かれていますが、ママチャリはできるだけ背筋を起こして楽に走れるようにハンドルは体に近い位置にあります。最初はこれに違和感を感じてしまいましたが、ある程度距離をこなしてるとそこまで気にならなくなりました。ただ、このハンドル位置のせいでダンシングはまともにできませんでした。高校生の時、なんの違和感もなく立ち漕ぎしていたはずなのですが、ロードになれたせいか最後までこの違和感は残ったままでした。
ただ、思った以上にスピードは出るなあ、と感じたのは意外や意外。先に言ったとおり漕ぎ出しは重いです。ただある程度スピードが出てしまえば平坦路で速度維持するのはそこまで大変ではないです。ロードに乗り込んで昔に比べて筋力が上がっているのいうのもあるでしょうか ヘヘッ。
でもやっぱり坂は苦行なんですね。 あまりないシチュエーションだと思いますが、ロードならシッティングで走れるような長めの坂(6%前後)は、立ち漕ぎでなければ無理でした。しかも地面に対して垂直気味に体を寝かせてペダルを押し込み、歩いてるのと対して変わらない速度で「ムギギギー」って赤面しながらです。通り過ぎた車の中の人からは異様な光景に見えたと思います。
なんだよ、ただのママチャリ批判かよ!と思われるかもしれませんが、いえいえ今回私が気づいたのは、街乗りではやっぱりママチャリが最強かもしれん、外観を気にしなければ、ということなのです。
ママチャリ三種の神器、KKSはやっぱり便利だなあ、の巻
ママチャリをママチャリたらしてめてるもの、KKS(カギ、カゴ、スタンド)。普段ロードやシクロのっている時は無ければなんとかなるっしょ、という感じで特に気にもとめてなかったのですが、買い物とかで頻繁に駐輪する時はやっぱりカギとスタンドは超絶便利なんですよね。ということで早速普段使いしているシクロ用のスタンドを注文したのでした。これは今回の収穫のひとつです。見た目気にする人は無理してつける必要はないと思いますけど、私の場合ファンクションイズビューティですから・・・(なんか違う)
ママチャリのサドルはふかふか
ロードのそれと比べると1回りも2回りも大きいですし、サドル下にはコイルも付いているので衝撃吸収は思った以上にヤバイなぁという印象。それで乗ってしばらくは「ママチャリええわ〜」ってなったんですけど、徐々に違和感が。今回は15kmほど走ったのですが、最後らへんは、ちょっとお尻が痛くなりました。別にママチャリのサドルが長距離の走行に不向きというわけではなく、私のお尻との相性だと思いますが、硬いサドルに馴染んでしまっている私には柔らかすぎたんだと思います。柔らかれば柔らかい程いいということではなく、 適度な硬さが必要だということですね。あまり知られてない豆知識ですが、サドルはママチャリとロードバイクで互換性がある数少ないパーツなんです。実際やるかどうかは別として、硬いロードのサドルをママチャリにインストールすることも可能なんです。
どっしり、ゆったり
自転車は車両ですから基本は車道を走ります。最近はそういった意識が昔に比べて強くなっているので、特に注意して走るようにしています。けれど街中を走っていると、どうして歩道を走らなければいけないシチュエーションは出てきます。そういった場合ロードやシクロだと変な罪悪感を感じてしまうのですが、ママチャリだと割りと堂々と走ることができるんですね。ママチャリもロードも法律上は同じ車両ですから、扱いの上では同じはずなんですけど、なんでしょうママチャリはスピードが出ないということもあるのか昔からの文化なのか、大目に見られるような気がします。そういった意味で、ママチャリは街中を気楽に走れる唯一の自転車なのかもしれません。
また、サドル位置が低く、足つきがいいののも「ママチャリ強ぇ」と思ったところ。信号が多くストップアンドゴーが多発する街中では、おおいにメリットがあるなと痛感しました。スポーツ車特有の停車時にサドルから降りたり、あるいはつま先ちょん立ちしたりっていう動作は結構ストレスたまりますもんね。
さいごに
とりとめもなく書いてきましたが、買い物用途で、距離的に短く、坂が少ないようならママチャリという選択肢もあり、ということを今回のママチャリポタリングで改めて確認できました。結局は適材適所ということで、最近は見た目もおしゃれで丈夫なママチャリもけっこうありますよ。
それから最近の自転車の流れとして、数年前まではホームセンタでよく見かけた一万円以下で購入できるような廉価車は少なくなり、反対に丈夫でしっかりとした自転車を長く使いたいというというニーズが多くなってきてるように感じます。自転車屋としてこういった流れは大歓迎です、我々の販売ポリシーともシンクロしていますし。ということで、ママチャリ含め、 自転車を長く大事に使いたいという方は是非とも当店までご相談ください、納得いくまでお付き合いしますよ。